Project/Area Number |
05855102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90162924)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | エネルギー変換 / 選択的分離機能 / ゲルの体積相転移 |
Research Abstract |
本研究では、高分子ゲルの体積相転移現象を利用し、軽量高出力のエネルギ変換材料を分子設計し、環境に調和した新しいエネルギ変換システムの開発、並びに、高分子ゲルの多重相の分子識別機能を利用した分離システムの開発に関する基礎研究を行なった。各種エネルギを力学エネルギへ直接変換する機能をもつ材料、並びに水質汚濁物質の選択的分離機能をもつ材料を開発するための基礎原理を構築することを目的とし、高分子ゲルの体積相転移現象に関する研究を行ない、以下の結果を得た。 1.高分子ゲルの合成 疎水性相互作用が主な引力として作用する熱応答性のゲルに、疎水性分子と陰イオンをランダムに修飾することにより準安定状態を示すゲルを合成した。このゲルは、pH変化に対して体積を30倍以上変化させることができる。修飾分子のモル分率、架橋密度が異なる幾つかのゲルを合成した。 2.体積相転移の測定 溶媒組成を変化させ、ゲルの体積を倒立型位相差顕微鏡を用いて測定した。既報の相転移の実験・理論と比較し、分子修飾の効果を考察した。 3.刺激応答性の測定 溶媒組成・pH・対イオン濃度の変化に伴う体積変化とキネティクスを倒立型位相差顕微鏡、ビデオカメラ、ビデオレコーダー、ビデオメジャーリングゲイジャを用いて測定した。各々の因子の膨潤曲線(体積-温度曲線)に与える影響と相転移速度について考察した。 4.力学特性の評価 サブミリメーターの直径を持つ長さ数ミリの円柱形状のゲルを連続的に引っ張って、発生する応力を測定できる装置を作製した。等長下での相転移に伴う発生応力や応力緩和のキネティクスに関し、他の材料では見られないユニークな結果が得られた。 5.分子認識特性の評価のための理論の構築 得られた実験結果を解析するモデルを提案した。ゲルの体積相転移現象を利用したエネルギ変換材料、並びに選択的イオン分離材料の分子設計の指針を与えた。
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