Project/Area Number |
05855108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
酒井 保蔵 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70186998)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 磁気異方性粒子 / 磁石粒子電極 / 交番磁場 / 磁気流動層電極 / 銅イオン / 電解析出 / 電流効率 / 化学銅めっき |
Research Abstract |
本研究の目的は廃水中の重金属イオンの電解回収に適した新しい三次元電極として、導電性磁気異方性粒子の充填層電極を提案することにある。この電極は交番磁場により個々の粒子を反転運動させられる特徴をもつ。電極として小磁石粒子に銅メッキ処理したものを用い、銅イオンを含む溶液をモデル廃水として各種条件下で銅の電解析出実験を行い、おもに平板電極と電流効率および槽電圧について比較検討した。また単位量の銅を析出させるための電力量も比較した。 任意の大きさの磁石粒子に化学銅メッキをしたものは導電性磁石粒子として用いることができた。この磁石粒子を底部にフィーダ電極、槽上部に対極を設置した電解槽に高さ12mmに充填し交番磁場により反転運動させながらフィーダ電極と対極に電圧を加え、定電流電解を行った。磁石粒子電極の大きさ0.5〜3mmの範囲では粒径の小さいほど、磁場周波数0.1〜4Hzの範囲では周波数の大きいほど同じ電流を得るための槽電圧が小さくてよく、電流効率も向上した。平板電極(フィーダ電極のみ)との比較では0.5〜1mm粒径の磁石粒子電極を4Hzの交番磁場(100 Oe)で反転運動させると電流密度10mA/cm以上の条件において槽電圧は10〜50%程度小さく、電流効率で2倍〜4倍磁石粒子電極の方が有利であった。等しい量の銅を回収するための電力も1/3〜1/5ですむことがわかった。これは磁石粒子電極が比表面積の大きな電極として働くこと、また個々の粒子が激しく反転運動するために表面の物質移動が速いこと、磁石であるために粒子同士の接触が良いことなどの理由によるためと考えられる。 交番磁場用の電力は節約できる回収用電力の一部で十分なので、本方法は排水中からの金属回収に十分有用といえる。本成果は現在、化学工学会誌に投稿準備中である。
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