腹膜透析における溶質の移動速度を非侵襲的に倍増させる新手法の開発
Project/Area Number |
05855118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山下 明泰 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (30239959)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 腹膜透析 / 腎不全 / 物質移動 / 拡散 / 血流量 / 低周波治療器 / 電気マッサージ器 |
Research Abstract |
腹膜透析法では、腎不全患者の腹腔内に電解質の水溶液(透析液)を貯留し、内臓表面の腹膜を介して、体内に蓄積された毒素を除去する。本研究課題申請者らは、市販の電気マッサージ器や低周波治療器を用いて、腹部に体外から非侵襲的に振動を与えると、毒素の除去速度を飛躍的に増大できる(直接振動法)ことを報告してきた。しかし腹部への連続的な振動は、患者の睡眠を妨げる可能性がある。今年度は、本方式の実用化にむけた改良を行った。すなわち、カテーテルを介して腹腔と通じたビニールバックを体外に設け、カテーテルおよびバッグの中を透析液で満たすシステムを構築した。このバッグに電気マッサージ器による振動を与えることで、間接的に腹腔内の透析液に振動を与えた。このシステムによる物質移動の促進率は、およそ30%であった。これは直接振動法で得られた促進率(70-160%)には及ばないものの、実用的には十分な効果が期待できるものであつた。さらに腹膜での物質移動速度が、腹腔内血流量に依存することを犬の実験から明らかにし、物質移動に正味に寄与する腹腔内血流量のヒト相当値を推定したところ、71ml/minとなった。また、この結果と細孔理論を用いて、雑種犬の腹膜の細孔半径を推定したところ63Aとなった。これらは、ヒトのデータから推定された文献値に良く一致した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)