Project/Area Number |
05855119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業分析化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原田 明 東京大学, 工学部, 助手 (90222231)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | レーザー誘起超音波 / 時間分解分光 / 光熱変換分光法 / 液体表面 / 液液界面 / 過度反射格子法 / 非線形光学 |
Research Abstract |
液体界面は、物質移動や化学反応の場であり物質分離や界面反応を考える上で極めて重要である。本研究では、系を乱さず界面を選択的に捕らえるための全く新しいレーザー分光法を開発して応用することを目的とした。申請者らは、光の干渉性と光熱変換現象とを組み合わせて利用する計測法を新たに開発し、固体表面に適用して、新しい測定法として有望なことを実証してきた。本法の気液界面・液液界面への適用例はなく、熱力学的特性を測定する新しい界面計測手法となると期待された。主に水溶液表面を対象とした検討を行い、以下の成果を得た。 (1)測定時間の短縮・SNの向上を測り、気液・液液界面を対象として測定可能なシステムを新たに構築した。 (2)様々な試料系を検討した結果、色素水溶液系で高強度かつ安定な信号を得られることが判明した。信号強度の吸光度依存性を調べることで、試料由来の信号が得られることを確認した。 (3)信号強度の励起光強度依存特性を調べ、液体表面では固体表面・固液界面で得られる現象と異なる現象が支配していることを見いだした。液体表面では、2次の非線形光学過程が信号に寄与していることを見いだした。 (4)音波長(1〜4mum)を変えて系統的に測定を行った。これにより、この信号が液体表面由来であることを確認した。また、熱・物質拡散とは異なる何らかの拡散現象が、信号に現れていることを見いだした。 (5)以上、液体表面に特異的な信号を得て、本法が液体表面にも応用できることを示した(なお、液液界面への適用は時間的余裕が無く信号の確認だけに留まった)。これは、液体表面を対象としてサブナノ秒の時間分解能での光熱変換信号が確認された始めてのケースである。しかし、先に述べたようにこれまで固体系で得た結果とは異なる信号特性を持つことから新たな現象解析と理論的検討が必要であり、今度の課題となっている。
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