Project/Area Number |
05856009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 農学部, 助手 (80242163)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | シロイヌナズナ / イオウ栄養 / 変異株 / 遺伝子発現制御 / トランスポーター / アカパンカビ / 形質転換植物 / セレン酸 |
Research Abstract |
本研究は、分子遺伝学に有利なシロイヌナズナを用いて植物のイオウの吸収及びイオウ栄養に対する応答過程に関わる遺伝子を単離する目的で、イオウ吸収及びイオウ栄養に対する遺伝子発現応答性に関わる遺伝子、及び変異株を単離しようとするものである。 まず、アカパンカビ変異株の解析より得られた単離された硫酸トランスポーター遺伝子(cys14)をプローブとして用いて、サザンハイブリダイゼーションによってシロイヌナズナに相同性の高い遺伝子が存在するかどうかを検定したところ、バックグラウンドに比べて強いシグナルを示す相同性の高い遺伝子は見つからなかった。同様の実験を酵母を用いて行なったところ、ある程度の相同性の認められるバンドが検出された。 次に、イオウ吸収に関わる変異株の単離を試みた。シロイヌナズナ野生株を用いて、イオウの主要な吸収形態である硫酸のアナログであるセレン酸の毒性濃度を、有機体イオウの存在、非存在条件で検定し、エチルメタンスルホン酸によって変異原処理したシロイヌナズナM2世代を致死条件において選抜したが、明らかに変異株と思われるものは単離することができなかった。これはセレン酸の毒性が比較的低く毒性の発現機構が特異的な代謝産物によるものではなく、イオウ原子との置換が様々な有機物質に起こることによるために一つの遺伝子の変異によって耐性を示しにくいためではないかと考えられる。 ダイズ種子貯蔵タンパク質の一つbeta-コングリシニンbetaサブユニットをコードする遺伝子はイオウ栄養に応じてその発現が制御されることが知られている。betaサブユニット遺伝子をペチュニア及びシロイヌナズナに導入するとダイズに於ける制御と同様のイオウ栄養に応じた発現制御を受け、この様な制御にはbetaサブユニット遺伝子プロモータが発現制御に重要であることが明らかにされている。betaサブユニット遺伝子プロモータを持つ形質転換シロイヌナズナをエチルメタンスルホン酸によって変異原処理し得られたM2植物を20、000株についてイオウ栄養に応じた遺伝子発現制御のできない変異株を検索したところ100株以上の変異株の候補が得られた。今後これらの株についての解析を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)