酵母のメタノール制御系を利用した新規異種遺伝子発現系の開発
Project/Area Number |
05856014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 京都大学, 農学部, 助手 (60202082)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 異種遺伝子発現 / メタノール質化性酵母 |
Research Abstract |
近年、組み替え微生物による物質生産が多く報告されるようになったが、実験室モデル生物である大腸菌やパン酵母などでは、条件設定が困難な誘導因子によりその大量発現が行われていたり、またその生産量が低かったりしている。本研究では、メタノール資化性酵母Candida boidiniiを用いて安価なメタノールの存在により強く誘導される新規な異種遺伝子発現系の構築を目指した。 まず、本酵母内へ外来遺伝子を導入する技術を確立するために、本酵母における高頻度形質転換系を構築した。本実験では、C.boidinii染色体DNAよりSaccharomyces cerevisiaeとCandida boidiniiの両宿主内で自己複製活性を持つDNA断片(CARS1,CARS2)を取得して、リチウム法を改良することにより形質転換頻度の改良を行い、C.boidinii形質転換系を確立した。 次に、先にクローニングされているC.boidiniiAOD15'-隣接断片をS.cerevisiaeADK1構造遺伝子の上流に連結してC.boidinii染色体内へ導入して、アデニル酸キナーゼの大量発現を試みた。すると菌体内蛋白質の28%にも及ぶアデニル酸キナーゼがC.boidinii内で大量発現された。また大量発現されたアデニル酸キナーゼは、このように大量発現された条件下でも、S.cerevisiae内にある時と同様にそのN-末端がアセチル化されており、蛋白の修飾も効率よく行われていることが示された。 また、染色体挿入型あるいは自律複製型など様々な種類の形質転換体を作成しその発現制御について検討した結果、先にクローン化されたC.boidiniiAOD1遺伝子の5'-隣接領域にはAOD1遺伝子の発現制御を司るのに必要十分なcis-配列が存在していることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)