Research Abstract |
食品タンパク質に内在するカルシウム(Ca)代謝調節機能により,骨粗鬆症を予防するための基礎的知見を得ることを本研究の目的とした。 カフェイン等のメチルキサンチン化合物をラットに、投与すると,尿中Caの排泄量の増加,骨強度の低下が観察され,骨粗鬆症のモデル動物になることを見い出した。次に,メチルキサンチン化合物投与ラットに数種の食品タンパク質を与えると,尿中Ca排泄量と骨強度とに違いがみられた。更に,高カゼイン食をラットに与えると,尿中Ca排泄量の増加と骨強度の低下が加速されたが,高大豆タンパク質食では,阻止された。従来,含硫アミノ酸含量の高いタンパク質の摂取や,高タンパク質食の摂取により,尿中Ca排泄量が増加するとの仮説があるが,本研究では,当てはまらない場合があり,食品タンパク質側の要因を再検討する必要があることが示唆された。
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