Project/Area Number |
05856027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
食品科学・栄養科学
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
森光 康次郎 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (00244533)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 微生物代謝産物 / 活性酸素消去物質 / N-アセチルチラミン |
Research Abstract |
静岡等の土壌より放線菌655株とカビ60株を分離した。Bennet培地(放線菌)とCzapek-Dox培地(カビ)で4日間振とう培養し得られた濾液とその抽出物について、以下の2つの方法により活性酸素消去物質の探索を行った。 1.本研究の実施計画に従い、まず放線菌325株、カビ60株について第1次スクリーニングを行った。鉄-アスコルビン酸系またはヘマチン-過酸化水素系を活性酸素生成源とし、これと微生物代謝物産を枯草菌を生育させたシャーレ上でペーパーディスクにて対峙させた。その結果、両系に対して枯草菌の死滅を強く抑制した物質を生産する放線菌4株、カビ2株を選び出した。その中から、抑制活性が特に強く物質生産量の多いUSF-319株について検討した。319株4Lの培養濾液から活性を有する中酸性抽出物を得、各種クロマトグラフィー(シリカゲル、LH-20、HPLC)により2つの活性酸素消去物質、AR-319a(1.7mg)とAR-319b(4.0mg)を単離した。AR-319bのNMR測定よりC数36個、H数52個が確認されたのみで、構造決定には至らなかった。今後、大量培養と2D-NMR測定やMS測定等により本物質の構造を明らかにし、他の評価系での消去活性も検討していく予定である。 2.生体障害の主原因と考えられているOHラジカルの消去物質探索に焦点を置き、Fenton反応(鉄-過酸化水素系)を利用したスクリーニング法を2つ(安息香酸を用いる蛍光法と2-デオキシリボースを用いるTBA法)、上記の方法に加えて残りの放線菌330株について検討した。7株の放線菌培養濾液が、3つのスクリーニング系において活性を示し、特にUSF-580株と786株が活性酸素消去物質を顕著に生産していた。そこで、580株9.75Lの培養液から中性抽出物を得、上記と同様の分離操作により580-A(1.8mg)と580-B(0.8mg)を単離した。その中、580-Aは各種機器分析の結果よりN-アセチルチラミンと決定し、有機合成からもこの構造を確認した。OHラジカル捕捉活性は、DMSOより高くBHTと同程度であった。また、同物質のフェノール性水酸基が活性に関与していることを明らかにした。しかし、酵素系により発生させたスーパーオキサイドの捕捉活性は低かった。
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