Project/Area Number |
05856036
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野村 保友 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80237883)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 可視・近赤外光 / サケ・マス / カロチノイド / ミトコンドリア / チトクローム オキシダーゼ |
Research Abstract |
サケ、マス魚体に照射した可視近赤外領域の光の減衰は組織の構造による散乱と内在の色素による吸収に起因する。内在の吸収物質は水、脂質、筋肉組織中のカロチノイド、ミトコンドリアのチトクローム類、赤血球内へのヘモグロビンにほぼ限られる。 本年度は二つの装置の基礎研究を行った。まず必要となる各波長の吸収散乱特性を検討するのに必要な表層切片、筋肉片、血液、ホールボディの減衰スペクトルを得るために、生体試料用スペクトル解析装置の試作調整を行った。測定する波長領域を内在の色素に適するように設定された汎用装置の400nm-650nmを800nm-900nmに特徴的な吸収スペクトルをもつ水、脂質をも測定できるように400nm-900nmに拡張するために解析用のソフトウェアと検出用のホトマルチチューブを改良交換した。短波長側で散乱効果が著しく増加することから実際的には400nm-900nmの全領域のスペクトルを測定することが困難なために400nm-650nmと600nm-900nmの二つの領域に分けることにした。 次に生体試料用多波長同時測定分光光度計に最適な干渉フィルターの選択とそのフィルターによる生体試料用スペクトル解析装置の精度の評価を行った。ミトコンドリア電子伝達系の末端酵素であるチトクロームオキシダーゼのヘム(鉄が配位したポルフィリン環)の酸化還元状態は605nmと622nmの吸光度差で知ることができる。あらかじめその分光特性がわかっている605nmと622nmのフィルターを生体試料用スペクトル解析装置で測定するとそれぞれ透過率60%と65%、半値幅7.5nmと5.2nmとなり、生体試料用スペクトル解析装置の高い波長分解能と測定精度が確認された。
|