Project/Area Number |
05856048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西脇 亜也 東北大学, 農学部, 助手 (60228244)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 密度効果 / 放牧家畜の成長 / 収量密度効果 / 放牧圧 / 最終収量一定法則 / 草の現存量 |
Research Abstract |
植物の成長には強い密度効果が働くことが知られているが、野外の動物個体群で体重の成長に対して密度効果が見られた例は少ない。放牧家畜の場合には単位草地面積あたりに放牧される家畜頭数によって家畜の生産量は異なってくることが予想され、成長に対する密度効果が強く働くと予想される。すなわち個体の成長における競争密度効果(C-D効果)や単位面積あたりの生産量における収量密度効果(Y-D効果)が、家畜の生産量においても成り立つと予測される。そこで、本研究では様々な放牧密度環境での家畜の成長を調査し、この予測を検証することを目的とした。個体あたりの成長量(w)および単位面積あたり成長量(y)と個体密度(rho)との間には次の関係が成り立つと予測される。C-D効果;1/w=Arho+B、Y-D効果:1/y=B/rho+A。ただしAおよびBは生育時間および個体密度以外の生育条件できまる定数である。これらの関係を実証するために、異なる放牧密度の試験区を設定し放牧期間中における放牧家畜(緬羊)の体重変化を測定した。放牧密度を4段階設定し、それぞれの放牧密度区毎に家畜群を飼養することによりwとyを測定した。統計的検討はSPSSパッケージ(MAC版)を用いて行った。結果を以下に示す。放牧開始当初(二週間)は個体の体重増加は処理区間で差がなく、従って収量は密度が高い処理区ほど高かった。しかし、時間経過にともないC-D効果が顕著になり、従ってY-D効果も強く認められた。高密度区では草の現存量が低下しており、緬羊の体重の増加加速は極めて低くなった。放牧終了時にはどの処理区も収量がほぼ等しくなった。これは、作物での最終収量一定法則に類似した現象である。この現象が一般的かどうかを、別の季節や草地でも繰り返し解析し、最終収量一定法則の放牧家畜での妥当性を明らかにしてゆきたい。
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