Project/Area Number |
05856050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉田 光敏 静岡大学, 農学部, 助教授 (00174954)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 多精拒否 / 受精 / プロアクロシン / 表層顆粒 / 糖鎖 / ブタ卵 |
Research Abstract |
本研究では、ブタ卵の多精拒否に関わる分子要因を検討すると共に高頻度に単精子受精が得られる対外受精の至適条件について調べた。Peanut agglutinin(PNA)をリガンドとしたアフィニテイークロマトグラフィー法で抽出したブタ卵表層顆粒成分の受精培地への添加はブタ体外成熟卵の体外受精率を一定レベルに維持した状態で、単精子受精率および正常受精率を無添加区と比べて有意に増加させた(P<0.01)。さらに、PNAが最も強く認識する糖鎖単位であるbeta-D-Gal(1→3)-D-GalNAcおよびその構造異変体を受精培地へ添加すると、用量依存的に透明帯付着卵の受精を阻害した。これらの糖鎖の受精阻害活性には糖鎖構造で差が見られ、beta-D-Gal(1→3)-D-GalNAc<beta-D-Gal(1→4)-D-GalNAc≦beta-D-Gal(1→6)-D-GalNAcの順に強かった。また、0.5〜1mMbeta-D-Gal(1→3)-D-GalNAc添加区では表層顆粒成分と同様に体外受精率を一定レベルに維持した状態で、単精子受精率および正常受精率を無添加区に比べて増加させた。一方、ブタ精子プロアクロシン(PA)あるいはそのアミノ酸配列を基に合成したペプチド鎖をブタ卵に感作後、体外受精するとPA、N末領域PA短鎖部アミノ酸配列およびセリンプロテアーゼアミノ酸配列と相同性の高いN末領域PA長鎖2部位のアミノ酸配列に受精阻害活性が見出された。しかし、細胞相互の接着に重要な役割を担うアミノ酸配列Arg-Gly-Aapには受精阻害活性は見られなかった。以上の結果から、ブタ卵表層顆粒成分、その構成成分と考えられる糖鎖単位、ブタ精子PAおよびN末領域PAアミノ酸配列は受精に深く関与し、特に、前2者では体外受精において単精子受精率の増加に有効な活性を持つことが示された。
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