海洋植物プランクトンの抗MRSA活性物質の精製とその利用
Project/Area Number |
05856065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物資源科学
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
太田 壮一 摂南大学, 薬学部, 助手 (10213729)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 / 海洋植物プランクトン / 海産性緑藻 / 抗菌性物質 / MRSA / バイオマス資源 / 不飽和脂肪酸 / 抗MRSA活性物質 |
Research Abstract |
平成5年度においては、代表者は、海洋バイオマス資源の開発及びその利用の一環として、まだ未開拓な薬用天然物資源である海洋植物プランクトンに着目し、約千株のプランクトンの試料を用いて、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する抗菌性物質スクリーニング試験を行った結果、顕著な抗菌活性が観察された緑藻Chlorococcum HS-101とDunaliella primolectaに含まれる抗菌成分の精製を行った。まず、ゲルろ過クロマト法を用いて、両株の抗菌成分の分子量の推定を試みたところ、両株の生体成分中には、それぞれの分子量の異なる抗菌性物質を2つずつ含んでいる事が認められた。最初に、両株の低分子量を示した抗MRSA物質を精製し、NMR及びGC-MSを用いて分析した結果、両物質は共に、alpha-リノレン酸である事が同定された。次に、種々の脂肪酸を用いて抗MRSA試験を行ったところ、作用を有するものは不飽和脂肪酸、それも二重結合を2つ以上有する脂肪酸である事が観察された。しかし、その抗菌作用は、二重結合の数には依存しておらず、強力な作用を示すものはalpha-及びgamma-リノレン酸であった。一方、研究代表者はまた、上記、高分子量を示した残りの2つの物質の精製についても現在継続中である。 今後は、両株の大量培養を行い、残りの2つの抗MRSA物質の精製及びそれらの化学構造解析を早急に行い、精製物質の作用機作の解明及び毒性評価等を行う事によって、バイオマス資源としての海洋植物プランクトンの医薬品への有効利用を目的とすると共に、毒性の極めて低いと考えられるリノレン酸が示す抗MRSA活性の知見の応用として、この脂肪酸のトランス化反応を行い、立体構造の異なる、より強力な作用を有するトランス型リノレン酸を作り出す事によって、既存の有用脂肪酸資源のさらなる創製を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)