Research Abstract |
研究材料として、手術により摘出されたヒト卵管膨大部粘膜を用いた。 1、採取した卵管の新鮮凍結組織、及びPLP固定液にて6時間固定し水洗後凍結した組織から、クリオスタットにて6mumの切片を作成した。抗エストロゲン受容体(ER)抗体、抗プロゲステロン受容体(PR)抗体(Immunotech)を用いて、ER、PRの局在部位をABC法(DAKO,LSAB kit)及び蛍光抗体法(Amersham,fluorescein-linked)にて可視化し、光学顕微鏡を用いて観察した。抗体希釈に感動ミキサ-(ボルテックス)を用いた。 2.卵管粘膜を細切し、3% PA(+0.2% GA)又はPLP固定液中にて、35℃以下60秒マイクロウェーブ照射し(MFW-2,日新EM),同液で4℃2時間固定した。水洗後、2% uranylacetate にて4℃ 1時間染色、エタノールにて脱水、LR Whiteに包埋し、50℃にて重合、或いは脱水後、Lowicryl K4Mに包埋し、堂阪イ-エム、TUV-200にて紫外線重合した。超薄切片を作製し、抗ER抗体、抗PR抗体を反応させ、金コロイド標識2次抗体(Amersham,10nm colloidal gold-labeled)を用いて、ERとPRの細胞質内及び核内の局在について透過型電子顕微鏡により観察した。 3、卵胞期、黄体期、月経期の線毛細胞、分泌細胞、線毛発生を示す細胞について、核内に認められるER、PRの金粒子の標識数を数え、核の単位面積当たりのERとPRを算出した。線毛細胞と分泌細胞におけるER、PRの発現の月経周期性変動及び線毛形成を示す細胞への分化に伴うER、PR発現の変動の有意性についてNEC PC-9801BX/U2を本体とするパーソナルコンピューターを用いて、統計学的に検討した。
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