Project/Area Number |
05857024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小賀 厚徳 山口大学, 医学部, 助手 (90243633)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | DNA aneuploidy / にせの aneuploidy / DNA 不安定性 / 正常組織のDNA量 / DNA量測定 / フローサイトメーター / ラットの消化管 / propidium iodide |
Research Abstract |
他施設の設備を使用してもラット正常組織からDNA aneuploidy(DA)が出現することを確認した。ラット正常組織にみられたDAについてpropidium iodide(PI)以外の蛍光色素を用いて検討した。 DAPIとアクリジン・オレンジ(AO)を試みたが、DAPIの測定は失敗した。AOに関しては容易に測定できたが、PIで単峰性(蛍光ヒストグラム上)の試料が二峰性になるなど検討事項が複雑化したにとどまった。AOの染色結果はDNAの高次構造を反映していると思われたが、文献は乏しく、この現象を正しく理解するにはAOについての基礎的検討がさらに必要と思われた。また、ラット脾臓細胞、ヒト抹消血リンパ球、ニジマス赤血球のDNAについて、DNA不安定性を比較する目的で0.4%の塩酸(ヒト胃酸濃度)を37℃で様々な時間作用させ、PI染色して蛍光量をFCMで測定した。その結果、ラットの細胞にのみ短時間処理によって蛍光量の10-20%増加が起こったが、処理時間が10分を越えると蛍光量は経時的に(最長30分観察)小さくなった。塩酸処理時間が長くなるにつれてcoefficient of variation(CV)は大きくなった。また、二峰性のヒストグラムは得られなかった。 以上の実験を含め、ラット正常組織にみられたDAはDNAの不安定性が異なる二群の細胞が混在すれば起こりうるといえるが、CVを小さく保ち、かつ、通常の細胞よりも多い蛍光量を示すための条件はとても厳しいものと思われた。したがって、ある多細胞個体(ラット、ヒトなど)の休止期体細胞が全て同じDNA量を持つという仮説が偽である可能性は消えていない。このことを確かめるためには、蛍光強度が異なる細胞群を分離しそれぞれのDNA量を生化学的に直接測定する必要があると思われた。
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