Project/Area Number |
05857032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
木村 浩一 札幌医科大学, 微生物学講座, 助手 (90177915)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 遺伝子治療 / RecA / gene targeting |
Research Abstract |
遺伝子組み替えに関与するRecA(大腸菌由来)と、強い核指向性を持つSV40 large T antigenのnuclear location signalを融合させた合成酵素(RecA-T)の構造遺伝子を作製した。この融合構造遺伝子を導入したRecA(-)大腸菌は、導入前に比し、紫外線への抵抗力が増加していることが確かめられた。したがって、RecA-Tが、本来の活性を保持しているものと考えられたので、この合成酵素の大量生成を試みた。今回、RecA-T遺伝子の構築に使用したベクターpMAL-c2は、マルトース結合蛋白をコードしており、RecA-Tの構造遺伝子を、マルトース結合蛋白構造遺伝子の直下に挿入し、両者の融合蛋白が産生されるようにした。1lの培養液から、大腸菌を回収し、超音波処理後、細胞残渣を遠心除去し、上清をアミロースレジンで精製して、約20mgの融合蛋白を得た。この融合蛋白をFactor Xaで処理し、マルトース結合蛋白と、RecA-Tに分解した。こうして得られたRecA-Tの、一本鎖DNA結合能とDNA鎖交換能を検討するため、n-H-ras遺伝子の第一エクソンをPCRで増幅し(この際、片方のプライマーをリン酸化しておく)この一部をlambdaエクソヌクレアーゼで処理して、一本鎖DNAを作製した。まず、精製RecA-Tを、一本鎖DNA溶液中に加え、一定時間のインキュベート後、gammaS-ATPを添加して一本鎖-RecA-T結合物を安定化した。続いてlambdaエクソヌクレアーゼ処理をしていないPCR産物(一本鎖DNAと相同な二本鎖DNAということになる)を加え、さらにインキュベートした。この反応物を、PCR産物と共にアガロースゲル電気泳動し、泳動度の差を観察した。この結果、得られたRecA-Tの活性が非常に低いことが判明した。この原因として、大腸菌を破壊する際に用いた界面活性剤、あるいはFactor Xaによる長時間のインキュベートなどによって、RecA-Tが不活化された可能性が考えられた。現在、使用する界面活性剤の検討(不使用を含む)、低温でのFactor Xa処理、あるいは、Factor Xaを使用する必要が無いベクターの検討などを同時に進行させている。
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