Project/Area Number |
05857068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
後藤 信治 長崎大学, 医学部, 助手 (50186889)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1993: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 慢性肺気腫 / マンノース-6-リン酸 / alpha_1-アンチトリプシン / 好中球由来エラスターゼ |
Research Abstract |
1.実験方法 マンノース6-リン酸(M-6-P)の生合成とalpha_1-アンチトリプシン(alpha_1-AT)への付加修飾は、Bretthauerらの方法に準拠して行った。細胞抽出液、或いは細胞培養液中の好中球由来エラスターゼ(NE)活性の測定は、96well microplateを用いて高感度分光蛍光光度法により行った。細胞は、THP-1株細胞を10%FBS含有DME mediumで培養し、ホルボールミリステートアセテート(PMA)を添加してマクロファージ様化させて実験に供した。M-6-P-alpha_1-ATの細胞内局在と安定性は、電子顕微鏡とフィコールパック法により検討した。 結果 M-6-P-alpha_1-ATの抗プロテアーゼ活性を検討したところ、非糖化のalpha_1-ATとの間に差異は認められなかった。THP-1株細胞にM-6-P-alpha_1-ATを添加したところ、24時間にわたり、細胞内への輸入が観察された。輸入活性は、incubation時間とM-6-P-alpha_1-ATの添加濃度に依存した。M-6-P-alpha_1-ATを取り込ませたTHP-1細胞に高濃度のPMAを添加してバーストさせると、M-6-P-alpha_1-ATの放出が培養液中のNE活性を阻害した。M-6-Palpha_1-ATの細胞内への輸入はM-6-Pで阻害されたが、マンノースでは、阻害されなかった。慢性肺気腫は、たばこ等のオキシダントの暴露と抗オキシダントの低下からくる、酸化/抗酸化不均衡と共に、NEの増加、alpha_1-AT等の抗プロテアーゼ活性の低下等が慢性化すると発症すると考えられている。これらのことから、M-6-P-alpha_1-ATは、IGF-II受容体を介して細胞内へ輸入されること、更に細胞内から放出されたM-6-P-alpha_1-ATはNE阻害活性を有することが明らかとなった。この酵素阻害剤を封入する分子設計は、肺胞破壊を生じる慢性肺気腫に対して発症進展を予防する効果があると予想される。現在、オキシダントを負荷したラットの気管支に予め、気管支肺胞洗浄で分離し分子設計を施した、マクロファージの注入を行う実験を予定しているが、まだ、予備実験の段階であり成果を上げるには至っていない。
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