随伴陰性変動(CNV)を用いた感覚・運動連関機序の解明
Project/Area Number |
05857073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 昭夫 京都大学, 医学部, 助手 (90212761)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 随伴陰性変動 / 準備電位 / 前頭前野 / 補足運動野 / 局所性ジストニア / 上小脳脚 / パーキンソン兆候 |
Research Abstract |
本年度の成果は、(1)随伴陰性変動(CNV)の発生機序の検討と、(2)運動異常を示す神経疾患においてその病態生理の解明において以下の結果を得た。 1.てんかんの外科治療のために前頭葉に慢性に留置された硬膜下電極を有する患者5名から、CNVと準備電位(BP)を直接記録した。CNV前期成分は補足運動野内の限局した領域から発生していた。CNV後期成分は補足運動野および一次運動野から出現する"準備電位"と内側前頭前野および前頭葉底部から発生する狭義の"CNV後期成分"があることが明らかにされた。また選択反応による命令刺激後には前頭葉底部から潜時約280msで一過性の陽性成分がみられ、これは命令刺激の判断・行動決定に関係すると考えられた。 2.小脳遠心路系の病変を有する患者6名(上小脳脚交叉部梗塞、進行性ミオクローヌスてんかんおよび一部の脊髄小脳変性症患者)においては、BPは常に消失しているが、CNV後期成分はほぼ正常に認められた。これはBPとは異なりCNVの発生には小脳からの入力信号を必要としないことが明らかにされた。 3.右上肢局性ジストニア患者14名から一側上肢運動に伴うCNVを記録した。正常ではCNV後期成分は正中部最大であるが、右上肢ジストニア患者では常に左正中部において電位において電位の低下を認めた。これは運動感覚連関の障害であるジストニア患者における随意運動発現プログラムの異常を示唆する。 4.パーキンソン兆候を有する患者(パーキンソン病・進行性核上性麻痺)でCNV後期成分とBPを比較検討中である。現時点迄の結果では、症状が軽度な患者では両者は大きな差異はないが中等から重症ではCNVのみが消失傾向にある。これはパーキンソン兆候を有する患者で、外的刺激による随意運動と自発随意運動の障害の違いを示唆すると考えられる。この課題については今後症例をさらに増加して検討していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)