Project/Area Number |
05857089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
小松崎 英樹 日本医科大学, 医学部, 助手 (10256935)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | フラクタル / 次元 / 脳波 / てんかん / 脳波解析 |
Research Abstract |
本研究は、脳波を非線形力学システムとみて、非線形解析法であるフラクタル次元解析法により脳波を解析し、特に、てんかん児と健常児の脳波を比較検討することを目的とした。 (方法)フラクタル理論に基づき、脳波曲線の曲線次元を求めるコンピュータープログラム(累積経路長の方法を用いる)はすでに開発しているが、これを改良し、演算処理を高速化した。頭皮上より導出しデータレコーダーに取り込んだ脳波(sampling time 1.28msec x 32767 points)をデジタル変換し、このプログラムで演算処理して各導出部位での脳波の曲線次元を求めた。 (対象)特発性てんかん児34例(全汎発作9例、部分発作25例)、健常児20例。 (結果)覚醒安静閉眼時の左後頭部導出脳波において、曲線次元値を求めるための両対数グラフ(サンプリングした点をn個おきに結んで得る累積経路長をL_nとして、nとL_nとの両対数グラフ)に次のような知見を得た。 (1)健常群では、両対数グラフが一本の直線で近似され只一つの傾き(曲線次元値)を得た。 (2)てんかん群では両対数グラフが途中で屈曲し、二つの異なる傾き(曲線次元値)を得た。 (3)nの大きいところでの傾きと小さいところでの傾きとの差をslope differenceとしてグラフの屈曲の度合を定量的に評価したところ、その値はてんかん群で有意に高かった(p<0.001)。 (4)全汎発作群と部分発作群の両群においてはslope difference値に有意さはなかった。 (5)てんかん群の各発作型とslope difference値との間には、現在のところ特別な関連は見られない。今後のてんかん診断への臨床応用を期待しさらに研究を進めていく。
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