Research Abstract |
内因性LAK誘導を目指した免疫化学療法の開発を目的とし実験を行った。 まず化学療法剤とOK-432,rG-CSFの有効な投与タイミングを検討した。 1.実験材料 動物 C3Hマウス、腫瘍細胞 MM48 腫瘍細胞、化学療法剤 CAP(CDDP,EPI,CY)、OK-432,ARAG-CSF。 2.実験方法 1)担癌マウス作製:MM48 2X10^5/headをマウス皮内に移植。8日後から治療を開始し、14日目に主腫瘍を切除しリンパ節移転に対する治療効果を検討した。なおDay14に主腫瘍を切除しないとDay48には全例死亡した。 2)治療法:治療スケジュール別に以下の6群に分けた。1群;無治療。2群;Day 8 CAP,Day 9.11 OK-432(1KE),Day 10 G-CSF(0.1mug)。3群;Day 9.11 OK-432(1KE),Day 10 g-csf(0.1mug)。4群 Day 8 CAP,Day 11 OK-432(1KE)。5群;Day 11 OK-432(1KE)。 3)治療効果判定:生存率、生存マウスは腫瘍移植後48日後に解剖しリンパ節転移を病理組織学的に検討した。 3.結果 生存率(Day 48):1群 1/7,2群 1/7,3群 3/7,4群 1/7,5群 0/7 各群間に有意な差を認めない。 リンパ節転移率(Day 48):1群 5/6,2群 0/6,3群 3/4,4群 3/6,5群 3/7と2群においてのみリンパ節転移を抑制することができた。 4.考察 予定した実験動物、腫瘍を変更しリンパ節転移能の高い実験モデルを設定した。その結果リンパ節転移は抑制したが十分な延命効果が得られなかった。とりわけサプレッサーT細胞を抑制せずにOK-432,G-CSFを使用するとかえって予後を悪化させる可能性もありこの治療プロトコールは危険であると考えられた。現在、その原因を検討中である。
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