Research Abstract |
雄ラット(Sprague-Dawly)を対象とし、胸腰椎間よりより硬膜外カテーテルを挿入した。このカテーテルより生理食塩水、モルヒネ(0.1-10mug)、リドカイン(100-800mug)、またはモルヒネ、リドカインの混合液(0.1+100,0.1+200,1+100,0.05+50,0.2+200,0.4+400mug)を投与し、体性痛および内臓痛に体する鎮痛効果を検討した。体性痛および内臓痛の測定にはそれぞれtailflick試験、colorectaldistension試験を用いた。モルヒネとリドカインの鎮痛効果における相互作用はisobolographicanalysisを用いて行った。モルヒネまたはリドカインの単独投与では、体性痛および内臓痛に対する鎮痛効果は容量異存性に増加した。モルヒネ0.1mugでは内臓痛に対しては鎮痛効果は認められず、体性痛に対しては投与後20分まで軽度の鎮痛効果が認められた。同量のモルヒネに全く鎮痛効果のないリドカイン100mugを混合投与したところ著明な鎮痛効果の増強と作用時間の延長が認められた。isobolographicanalysisでは体性痛および内臓痛に対する鎮痛効果とも、実験結果より得られたモルヒネ、リドカインの混合液のED50は理論的に求められたED50よりも有意に下方にあることから、両者の混合投与により相乗的な鎮痛効果が得られることが証明された。
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