口腔内常在細菌のDNA結合性酵素センサー蛋白質の同定と一次構造の解析
Project/Area Number |
05857203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
服部 高子 岡山大学, 歯学部, 助手 (00228488)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | FNR / FNR様蛋白 / 口腔内常在細菌 / Actinobacillus actinomycetemcomitans / 酸素センサー / 転写調節 |
Research Abstract |
大腸菌では、環境の分子状酸素濃度の低下に応答した好気的呼吸系から嫌気的呼吸系への転換には、酸素センサーであると同時にDNA結合性転写調節蛋白であるFNRを介する1成分調節系の関与が必須である。嫌気条件下で活性化されるFNR蛋白は、嫌気的呼吸系遺伝子群の発現を誘導するだけでなく、自己をコードする遺伝子の転写を抑制する独自のautorepression機構によりその転写レベルが自己調節されていることが、in vitro の転写活性測定系で代表者らにより実証された(FEBS Lett.,1994,in press)。 口腔内常在細菌におけるこのような転写調節系の作動の有無を確かめるため、種々のredox代謝様式を持つ代表的な5種の細菌株を選び、FNR様蛋白の産生の有無を抗FNR血清との反応性と分子量の類似性より検索したところ、通性嫌気性細菌で嫌気的呼吸系の存在が報告されているActinobacillus actinomycetemcomitans にのみ、FNR様蛋白の産生が有意に認められた。さらに、フルクトース制限下のケモスタット培養における増殖パラメータの変動実験から、FNR様蛋白の産生量変動パターンにおいて大腸菌FNRとの相関が示唆された。そこで、本研究では、FNR様蛋白と大腸菌FNR蛋白との相同性を立証することを試みた。その結果の要点は、下記の通りであ。(投稿準備中)。 (1)A.actinomycetemcomitans より単離精製されたFNR様蛋白のアミノ酸N-末端配列には、大腸菌FNR蛋白との有意な相同性はみられなかった。しかし、大腸菌FNR蛋白との相同性をアミノ酸レベルで高度に保存しているPseudomonus属のANR蛋白やActinobacillus属のHlyX蛋白のN-末端領域に関しても有意な相同性は見られないことより、N-末端領域にはFNR-family 間でコンセンサスな領域が含まれず、FNRとの相同性はさらに内部領域のアミノ酸配列の解析から実証されるべきであると思われた。 (2)FNR-family間でコンセンサスなアミノ酸領域より設計した混合プライマーを用いたPCR法により、fnr様遺伝子の増幅産物がA.actinomycetemcomitans に検出されており、遺伝子DNAレベルにおいても大腸菌fnrとの相同性が明らかにされた。 以上の事実より、A.actinomycetemcomitans のFNR様蛋白は構造的、機能的に大腸菌のFNRと類似している可能性が強く示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)