Project/Area Number |
05857214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗和田 しづ子 東北大学, 歯学部, 助手 (60225274)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 感覚麻痺 / レーザードプラー血流計 / 感覚神経 / 歯肉血流 / 逆伝導性血管拡張 / 軸索反射性血管拡張 |
Research Abstract |
歯科臨床において、局所麻酔による神経損傷、嚢胞等の神経圧迫で、歯や歯周組織に、感覚麻痺を生じることがある。しかし現在、麻痺の評価は麻痺領域の判定に留まり、神経自体の機能や麻痺の予後の判定は殆どなされていない。近年、感覚神経は情報を中枢へ伝達するほかに、末梢の血管拡張を起こすことが報告されている。 そこで本研究では、感覚神経による血管拡張反応をパラメータとして、(1)感覚麻痺の程度と(2)麻痺の予後を定量的に測定する方法を確立することを目的とした。 当該年度は、感覚神経の末梢血管拡張機能を確認するために、レーザードプラー血流計を用い、ネコを用いた基礎的実験とヒトボランティアによる応用研究を行った。その結果、 A.動物実験によって 1)下歯槽神経中の感覚神経の興奮によって、神経支配領域の歯髄に血管拡張(逆伝導性血管拡張)が生じることを確認した。 2)下顎前歯部歯肉の侵害性刺激によって、同側下顎犬歯歯髄に血管拡張が生じる現象を確認し、その機序に感覚神経が関与することを明らかにした。(軸索反射性血管拡張) B.ヒトボランティアによって 同側の歯髄、歯肉、舌の痛みにより、歯肉の血管拡張が生じる現象を確認した。痛みを感じない刺激では血管拡張は認められず、その機序に感覚神経の関与が示唆された。 以上、歯肉および歯髄に感覚神経による血管拡張が生じることを確認し、さらにこの感覚神経の血管拡張は歯髄、舌、歯肉の異種組織間の痛み刺激で惹起されることが判明した。今後、感覚神経の機能障害である麻痺時の血流動態を追求することにより、麻痺の診断基準を決めることが可能であると考えられる。
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