LECラットのチロシンキナーゼ異常による肝炎、肝癌の自然発症
Project/Area Number |
05857256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻川 和丈 大阪大学, 薬学部, 助手 (10207376)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 細胞内情報伝達 / メタロチオネイン / チロシンキザ-ゼ / LECラット / 肝炎 / 肝癌 |
Research Abstract |
本研究では、LECラットの肝炎から肝癌発症に至る機構を、肝細胞増殖の肝細胞増殖の情報伝達系のメタロチオネイン(MT)に焦点をあて検討した。その結果、MTは肝細胞増殖時に誘導合成され、細胞周期のS期からG_2M期にかけて核(核小体を除く)に局在化することを認めた。また、初代培養肝細胞においてMTの核局在化は細胞増殖に必須であることが明らかとなった。増殖因子刺激によるMTの核局在化は、チロシンキナーゼの活性化により引き起こされ、Ca dependent protein kinase Cによって制御されることを確認した。更にMTは、DNAに結合し肝細胞増殖を制御する核因子であることが強く示唆された。LECラットを用いた実験で、我々はLECラットの肝疾患発症の成因の一つとして、Cu-MTの肝臓への異常蓄積を明らかとした。そして、病態発症前においてもCu-MTの強い核局在が認められ、急性肝炎発症時には強い増殖因子刺激がなされているにもかかわらずMTが核内に局在しえなかった。ところが、抗体による増殖因子レセプターの検出では、正常を示した。以上より、LECラット肝細胞ではMTを介したチロシンキナーゼの異常が起こっていることが示された。LECラットの肝癌発症機構については、肝非実質細胞の異常増殖が大きく関与していることを発見した。肝炎発症時には、傷害を受けた肝細胞の機能を補うために新たな肝細胞の増殖がおこるはずである。しかし、LECラットでは肝細胞の増殖が低下しているため、肝細胞にとって代わってoval cellなどの肝非実質細胞が増殖することになる。そして、この肝非実質細胞が異常増加することによって、最終的に肝癌を発症することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)