Project/Area Number |
05857269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human genetics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 郁也 北海道大学, 遺伝子実験施設, 助手 (90240275)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | X染色体 / 晩期複製 / 早期複製 / マウス / 不活性化 |
Research Abstract |
不活性X染色体の複製時期に関する一種の変異とも云うべき早期複製型X染色体を保持するMTLB3細胞株を用いたこれまでの成果(Yoshida et al.,1993)を公表できたことが本年度最大の収穫であった。以下に、その内容を要約する。 1)MTLB3の早期複製型X染色体は複製時期以外の性質からは晩期複製型不活性X染色体と区別できない。2)MTLB3と他の培養細胞を融合するとB3由来の早期複製型不活性X染色体は晩期複製型へと速やかに変化する。3)このような変化を引き起こす活性はヒトから有袋類までの細胞に、雌雄や由来組織の違いに関わりなく存在していた。4)したがって、X染色体の晩期複製はtrans acting factor(s)によって積極的に維持されており、このfactorが欠乏しているMTLB3では不活性X染色体は早期に複製する。5)このfactorは、S期には活性を持つがG2期には急速に活性を失う。以上の結果から、晩期複製が転写抑制を引き起こすという従来のモデルは否定され、染色体の複製を晩期に調節する機構の存在が新たに示唆された。その後の解析から、このfactorがヒストンH4のアセチル化の有無を目印として、動原体の反復配列を含む不活性な染色体領域の複製時期を調節している可能性が示されつつある。現在、factorをコードしている遺伝子を染色体上にマッピングする目的で微小核融合を行っているが、予備実験の過程で、マウスEC細胞にヒト不活性X染色体を導入した細胞株などを多数得ることに成功した。これらの細胞株は、不活性X染色体の再活性化と細胞分化の関連や間期での異常凝縮などについても重要な知見を与えてくれるであろう。
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Report
(1 results)
Research Products
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