ささやき母音の知覚におけるピッチとホルマントの役割
Project/Area Number |
05858054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent informatics
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
今野 英明 北海道工業大学, 工学部, 助手 (20234958)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ささやき母音 / ピッチ / ホルマント周波数 / 音韻性 / 母音境界 / 音韻同定実験 / スペクトルの傾斜 / ピッチの一対比較実験 |
Research Abstract |
今年度は、まず第1および第2ホルマントを直交する軸とする平面上の格子点に対して与えられた音韻同定率から、平面上の母音境界を推定する手法について検討した。これにより、公表されている基本周波数の変化に伴う通常母音の母音境界の移動と、実際に実験で得た通常母音からささやき母音への変化に伴う母音境界の移動の類似性を示し、有声母音の基本周波数に代えてささやき母音のピッチ(知覚的な音の高さ)がその音韻性に関与している可能性を示した。 ささやき母音のスペクトルには調波構造が存在せず、ピッチに対応する物理量は明らかではない。しかし、ささやき母音のような雑音性の音のピッチにはスペクトル全体の構造が影響すると考えられる。そこで、ピッチに影響を及ぼすと予想され、かつ母音の音韻性に係わる重要な特徴であるホルマント周波数を変化させない物理量としてスペクトルの傾斜を採用し、これを変化させた/i/-/e/刺激連続体上の種々の合成ささやき母音と、基本周波数が異なる2種類の合成通常母音を用いて、ピッチ測定と音韻同定実験を同一被験者に対して行なった。ピッチ測定は、被験者のピッチの判断が容易であると考えられる一対比較法により行い、高周波成分が相対的に大きいスペクトルの傾斜をもつものほどピッチが高いことを明らかにした。また、スペクトルの高周波成分の大きなものの母音境界ほど/e/の方向に移動することから、ピッチ測定の結果を考慮して、ピッチの高いささやき母音ほど/i/としての音韻性を強くもつことが間接的に明らかとなった。母音の音韻性に及ぼすピッチの影響を、ささやき母音と通常の母音について統一的に説明するには到らなかったものの、通常の母音のみについても同様の結果が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)