天然物生合成におけるシトクロムP-450依存性の特殊な水酸化反応に関する研究
Project/Area Number |
05858075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
袴塚 高志 東京大学, 薬学部, 教務職員 (60221488)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | シトクロムP-450 / 転位反応 / アフラトキシン / イソフラボン / 生合成 |
Research Abstract |
イソフラボン骨格合成反応について生合成レベルでの検討を進めるうちに、これが「シトクロムP-450依存性の転位を伴った水酸化反応」というp-450としては珍しい反応であることを見出した。本研究の目的は広範な天然物生合成反応の中にその類例を見出し、その概念の普遍化を図ることにある。研究計画には2つの生合成反応について記述したが、そのうち、ある程度の進展を見せたアフラトキシン生合成経路における Averufin から1'-Hydroxyversicoloroneへの芳香環転位反応について報告する。 1.Sterigmatocystin生産菌の Aspergillus versicolor を液体培地で振盪培養し、Sterigmatocystin を含めたポリケタイド系色素の定量を行った。細胞は、培養7日目ころから橙色に色付き初め、それと同時に Sterigmatocystin の蓄積が始まり、12日目ころに最高値に達することがわかった。 2.培養7日目の A.versicolor振盪培養にP-450阻害剤である Ancymidol を最終濃度 1mM になるように無菌的に添加し、その後の色素の蓄積を経時的に分析した。 Ancymidol を添加した細胞は対照細胞と比較して成長の具合は変わらなかったが、橙色の着色がほとんど起こらなかった。成分分析の結果、Ancymidol 処理細胞では Sterigmatocystin の蓄積が1/5〜1/10に抑えられ、代わりに Averufin 及び Averantin の一時的な蓄積が観察された。 3.以上の結果より、アフラトキシン生合成経路において Averufin 及び Averantin 以降の比較的近い段階に、P-450依存性の反応の存在が示唆された。これが、Averufin から1'-Hydroxyversicolorone が生成する段階であることを証明するために、現在生合成酵素レベルでの検討を進めているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)