Project/Area Number |
05858118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高木 博 早稲田大学, 理工学部, 助手 (80247220)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | mGluR / Kチャネル / trans ACPD / SapecinB / GABA_B |
Research Abstract |
シナプス前膜よりの伝達物質放出機構の解明のために、本研究では小脳や海馬のスライスカルチャー標本を用いてシナプス前膜だけの標本を作り、その生理学的役割を検討することを試みた。しかしながら、スライスカルチャー標本の作成には成功したが、シナプス前膜だけの標本を得ることは出来なかった。シナプス前膜だけの標本に代わるものとして、本研究では次の二つの標本を用いた。一つは、ラットの小脳はその神経回路網を生後発達と伴に形成するので、様々な発達段階のラットの小脳を用いることにより、シナプス前膜の作用を解析する方法である。いま一つの方法は、実際に大きなシナプス前膜を持つウミウシのB型視細胞を用いる方法である。これら二つの標本を用いて、シナプス前膜上に存在する受容体とその生理学的役割の解明を行った。また同時に伝達物質の放出能の制御にKチャネル(特にカルシウム依存性Kチャネル)が関与しているとの報告が多く得れているが、Kチャネルに対する特異的な阻害剤は見い出されていないので、特異的な阻害剤の検索も行った。その結果以下のような知見が得られた。 (1)小脳プルキンエ細胞のシナプス前膜にはtrans-ACPDに感受性をもつG蛋白質共役型グルタミン酸受容体(mGluR)が存在する。この受容体の活性化は、シナプス前膜を制御することが判った。(ANN.N.Y.ACAD.SCI.,1993) (2)ウミウシのB型視細胞の神経終末部にはGABA_B受容体が存在し神経終末部で細胞内カルシウム濃度上昇を引き起こす。その結果、B型視細胞のカルシウム依存性Kチャンルのみの活性化がおこることが判った。(ANN.N.Y.ACAD.SCI.,1993) センチ肉バエ幼生より精製された抗菌蛋白質であるSapecinBはカリブド毒素と類似の構造を有し、カリブド毒素と同様にプルキンエ細胞のカルシウム依存性K電流の抑制を引き起こすことが判った。(FEBS Lett.,1994)
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)