Project/Area Number |
05858129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小山 義之 東京理科大学, 総合研研究所, 講師 (00162090)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | デキストラン / 糖質高分子 / 消化管吸収 / グルコース・トランスポーター |
Research Abstract |
デキストランの消化管吸収挙動に関しては古くから報告があり、その経口投与後の尿排泄の少なさから、ほとんど吸収されないものとされてきた。またその吸収機構は、細胞の間隙を通る、自由拡散によるものと考えられてきた。一方我々は、極めて少量のデキストランを使用することにより、その吸収の特異的拮抗阻害を見いだし、受容体介在型のデキストラン吸収機構の可能性を初めて提唱した。 本研究では、単糖を側鎖に持つモデル高分子を以下の要領で合成し、その腸菅吸収挙動をデキストランと比較検討することにより、このデキストランの粘膜吸収機構を検討した。 1)C-6位にメタクリロイル基の付いたグルコース誘導体を合成し、得られた重合性グリコシドをトリチウム化エチルマレイミドとラジカル共重合して、放射活性糖質高分子を用意した。 2)比較対象として、C-1位に置換基をもつグルコースポリマー、ポリ(2-0-ヒドロキシエチルグルコシド)を同様に調製した。 3)各糖質ポリマーを、ラットの小腸より作成したサックを用いてその消化管膜透過性を評価した。 4)また、フロリジンなどの阻害物質の添加効果や、温度の影響を同様に調べた。 5)以上の結果をデキストランの場合と比較検討したところ、還元型のグルコース側鎖をもつポリマーに限って、デキストランと同様の現象が確認され、デキストランの吸収機構には、還元型のグルコース、すなわち還元末端を認識する受容体が介在することが明らかになった。 これらの結果は、従来困難とされていた高分子医薬の消化管吸収性能の向上のための大きなブレイクスルーになるものと思われる。
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