Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
今年度は、三角縁神獣鏡の相対年代についての分析、さらにその成果をふまえた地域における受容のあり方を中心に、古墳時代前期における墳墓築造の経緯と展開について研究を実施した。三角縁神獣鏡の相対年代については、生産面の特徴を共有する鏡群の抽出をもとに、舶載鏡と位置づけられる例を全体で4段階に区分した。そのうえで、生産の画期を3段階目と4段階目の間と考えた。そのうえで、ひとつは東海地方におけるケーススタディをおこない、いまひとつは兵庫県揖保川流域における三角縁神獣鏡出土古墳を具体的にフィールドワークの対象として検討を試みた。その結果、古墳時代前期の中頃に、地域圏の形成のあり方に変動をうかがうことができ、古墳築造のあり方に強い影響をうかがえる可能性があることを指摘した。すなわち、前期中葉までの地域間交流は、地域という大きな枠組みを期盤に展開したものではなく、複雑な地域圏が多様な交流をおこなっていたものと想定できる。その後、前期中葉に至ると、より広域で地域圏が形成されるようになり、その結果として古墳の築造場所の変化、首長墳の数的な統合が現象として表出するものと考えた。そして、さらに時期が下降すると、地域間交流は安定的なものとなり、各地において定型化した埴輪や葺石をもつ前方後円墳が出現するものと想定した。なお、上記の分析のほか、これまでにも継続してきた古墳出土青銅器についての技術的な比較検討や、日韓の古墳時代・三国時代の併行関係を考える材料の提示などを試みた。
All 2008 2007 2006 2005
All Journal Article (13 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (3 results)
考古学ジャーナル 570
Pages: 11-15
東海の古墳風景 雄山閣
Pages: 14-22
考古学雑誌 92-3(掲載予定)
Pages: 1-63
考古学雑誌 第90巻第4号
Pages: 1-34
40015360309
日本考古学 第22号
Pages: 15-45
大手前大学史学研究所紀要 第6号
Pages: 123-142
40015391697
Pages: 180-186
40015391699
新豊院山遺跡発掘調査報告書
Pages: 55-77
東アジアにおける鏡祭祀の源流とその展開
Pages: 1-10
滋賀県坂田郡近江町 定納古墳群 (印刷中)
平成17年度京都大学課程博士論文
Pages: 1-363
大垣市文化財調査概要 平成16年度(印刷中)
三次元デジタルアーカイブ 古鏡総覧 (印刷中)