Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究は集束イオンビーム(FIB)を用いて作製した立体構造物を神経電極の多チャンネル化とその配線技術と応用するための基礎研究である.以下本年度行われた実験について述べる.(1)FIBによる構造制御をより精緻に行うために,オーバハング構造の堆積モデルを提案した.オーバハング構造の造形においては透過イオンによる堆積が重要である.この現象を膜厚50nmのSiN薄膜下部において観察し,この堆積機構を考慮したモデルを提案した.シミュレーションによってオーバハングの勾配が制御可能であることを示した.(2)FIBにより堆積した材料であるDLC,タングステン(W)およびSiOxが神経電極として機能するための条件を検討した.培養容器内に配置した多点電極アレイ上に,FIBによりSiOxを膜厚0.2umに堆積させ,一辺20umのPt電極表面をカバーさせた.SiOxをエッチングした直径数umの穴にW(CO)_6の反応により直径約100〜200μm,高さ約10μmのWピラーを作製した.現在,この電極構造を生理食塩水に浸漬させインピーダンス計測を行い評価しているが,SiOx膜の絶縁特性が良好ではなく生体計測が可能な範囲には達していない.(3)神経電極材料としてポリパラキシリレン(PPX)の可能性を検討した.構造材および絶縁材として使用が考えられるPPXの生体適合性を評価するため,PPXの側鎖にアミノ基を修飾(数種類),酸素プラズマを照射,培養用ポリスチレン(PS),コラーゲン(Col)に関して,ラット由来副腎細胞腫PC12をもちいて細胞接着性を定量評価した.アミノ基の修飾は培養用PSと同等の効果であることが分かった.酸素プラズマ照射によりPPX-Cは,XPS分析により酸素が検出され親水性が向上し,培養用PSの接着性と同等であった.以上からPPXは生体と融合させる材料として可能性があると考えられる.
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