Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LHUILLIER Da 国立科学研究センター(パリ第6大学, 力学におけるモデル化研究所, 教授
GOLSE Franco パリ第7大学, 数学科, 教授
CABANNES Hen パリ第6大学, 力学におけるモデル化研究所, 名誉教授
BARDOS Claud パリ第7大学, 数学科, 教授
GATIGNOL Ren パリ第6大学, 力学におけるモデル化研究所, 教授
杉元 宏 京都大学, 工学部, 助手 (50222055)
大和田 拓 京都大学, 工学部, 助教授 (40223987)
青木 一生 京都大学, 工学部, 教授 (10115777)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
研究計画に基づき,採択内定時より研究を始動させ,次のような成果を挙げた.1.CabannesおよびGatignolは離散分子速度モデルによる流れの研究を進めていたが,青木の協力により,このモデルによって蒸発・凝縮を伴う流れを扱うことを可能にした.さらにこれを応用し,蒸発・凝縮の2平面問題を解析した.このモデルでは簡単に解析解を求めることができる場合が多い反面,大胆なモデル化のため虚偽の流れが導かれることがGatignolと曾根の検討により明らかにされた。Gatignolがさらにこれを検討することになった.2.蒸発を伴う流れに関し,曾根,杉元は従来から関心の高かった円柱から真空中への蒸発流の精密な解析に成功し,それに関連した数学上の諸問題を仏側に提供した.また曾根,高田は球からの弱い蒸発流のボルツマン方程式に基づく研究を完成させ,その成果とLhuillierが従来から進めていた非平衡熱力学による凝縮相界面近傍の研究との比較検討をLhuillier,青木と共同で進めている.3.曾根が導いた物体を過ぎる低希薄度の気流の漸近理論によって,複雑な領域における低希薄度気流の数値解析はその困難さを大幅に軽減される.この理論を適用する際に必要となるすべり係数とクヌーセン層関数を,Golse,大和田,若林が共同で求めた.4.曾根,青木,杉元は希薄気体の2次元ベナ-ル問題および希薄気体特有な温度場によって誘起される流れを解析した.これらは物理的に非常に興味があるばかりでなく,状況あるいは解析の精密さによって解の振舞が大きく変わる問題である.これらの解析結果は,本研究の目的の一つである解析法等の検討のための重要な資料として仏側に提供された.5.仏国の数学者(Bardos,Golse)との共同作業により,上記の具体的成果の他に,応用力学.数学両分野へ各分野の成果が大きく浸透した.これは共同研究の大きな成果である.
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