Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Research Abstract |
この研究は、1m程度の土壌に埋もれた物体を検出できる偏波FM-CWレーダ装置を開発し、遺跡探査用の道具に資することを目標とした.昨年度までの研究により地中レーダとして適当と思われる周波数250-1000MHzを選定し,レーダの原形が作成できたので,今年度はそのレーダを使い,大学の構内や実際の遺跡現場で埋没物体の実測を行った.昨年度の理論結果から,地上に設定するアンテナの最適な高さがあることが実証されているので我々のシステムでは約30cmにホーンアンテナを設定し,探査を繰り返した.その結果,大学の構内の砂地で120cmの深さに埋めた幅30cmの金属板を検出することに成功した.また,従来より理論検討している偏波を使った検出実験を進め,散乱行列に基づく偏波データが地表面の不要反射を大幅に減少させると共に埋没物体の検出を容易にすることを確認した.この成果は偏波の重要性を確認すると共に理論的成果が実証されたことにつながり,その意義は非常に大きい.一方,実際の遺跡現場で2回の実験を行った.場所は新潟県村上市磐船浦田山古墳群(1994.721)と群馬県北群馬郡子持村(1994.12.8-9)である.村上市では深さ20cm程度に礫が数多く埋もれていたが,海岸に面しており,塩分が多く含まれている土壌であったために電波の減衰が大きく,あまりはっきりしたレーダ画像は得られなかった.子持村では比較的電波の透過しやすい土壌であったため,地下1m位に古墳の頂上らしきレーダ画像が得られた.この結果は重点領域「遺跡探査」第3回公開シンポジュームにて報告した.今後,偏波の理論的な検討を加え,さらに有効な埋没物検出レーダシステムに改良し,現場実験を行う予定である。
|