認知・言語能力の発達におけるプロソディーの役割-神経心理学的考察
Project/Area Number |
06205107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
河野 守夫 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20073364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 修 郵政省, 通信総合研究所、関西支所, 研究官
門田 修平 関西学院大学, 法学部, 助教授 (20191984)
賀集 寛 関西学院大学, 文学部, 教授 (20090730)
柏木 敏宏 協和会病院, 言語療法科, 科長
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | リズム処理機構の階層性 / 乳児の音声知覚の発達的変化 / 日本人乳児による英語の / r / l / 知覚 / プロソディの処理中枢 |
Research Abstract |
1.音声処理の神経心理学的メカニズムについて 脳梁離断患者を被験者とした実験などで、速いリズム(リズム間隔が330ms以内)と遅いリズム(450ms以上)を処理するメカニズムは、前者はholistic、後者はanalyticと基本的に神経心理学的性格が異なるが、この2つのリズム処理機構は互いに階層構造をなし、さらに興味深いのは、上部構造のanalyticな機構が過度に活性化すると下部のholisticな機構の活動が抑えられるという現象が、発語失行症患者のリズム処理過程にみられる。 2.乳児の音声知覚の発達的変化について 幼児は母国語習得の過程で、母国語にない音声対立の弁別能力を低下させていくと考えられている。我々は、日本語の音韻体系に存在しない音声対立である/r//l/、および音韻対立をなす/w/と/y/、およびその中間的存在の/w//r/について“Conditioned eye fixation paradigm"という手法を用いて、生後6か月から12か月の日本人乳幼児を対象に追実験を行った。その結果、/r//l/については生後6-8か月の幼児は弁別可能だが、10-12か月の幼児は弁別できないことが再確認された。/w/と/y/については両グループとも弁別でき、/w//r/については生後6-8か月ですでに弁別不能であった。(/w/と/y/については追実験の予定) 3.一つの推論 もし、生後4か月以内の乳児には世界の言語の音声対立を弁別できるが年齢を経るにつれてそれが失われて、母国語の音声対立しか弁別できなくなるという現象が、学界で指摘されているように、音声学的知覚から音韻論的知覚への発達の結果であり、このことがholistic優位の知覚からanalytic優位な知覚へと発達した結果とみなしうるのなら、1.の現象は乳児の音声弁別の過程と無関係だとは言えないのではないか。 4.プロソデイの処理中枢 失語症患者のrecurrent utterance(RU)とFOの様態を調べた結果、プロソデイ(FO)はそれ以外のRUの構成素とは異なる中枢で生成される、と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)