Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
法律エキスパートシステムの開発には、(1)複雑で大規模な法律知識の表現法,(2)判例や曖昧な知識からの推論などの特徴を踏まえた新しい非演繹的推論機構,(3)推論の効率化,などが基本的な問題としてある.本研究では,型理論を基に法律エキスパートシステムのためのこれらの問題について次の具体的課題を設定して研究を行った. (1)知識表現言語の研究:知識の概念階層や類似性,多義性などを記述可能な知識表現法を型理論を用いて形式化する.さらに,型階層や部分型などの性質を応用して,継承や抽象化,モジュール化などの機能を備えた,法的推論のための知識表現言語を設計する. (2)法的推論機構の研究:法的推論のためには,類推や仮説からの推論といった非演繹推論の能力を備えた推論手法が必要となる.そのため,シークエント計算に基づく一般的論理プログラムの証明のための推論機構を開発する.それを基に,知識の類似性に基づく推論処理を行う法的推論システムの定式化とシステム設計を行う. 知識表現に関しては,ロジカルフレームワーク理論の基に,順序構造,概念記述などが可能な知識表現言語モデルの形式化および知識表現言語の設計を行った.設計した知識表現言語を開発するために,LF型理論をもとに設計された言語eLFをワークステーションに実装し,簡単な知識表現言語を試作した.その知識表現言語を用いて,従来の論理型言語の表現との比較,抽象化や一般化などの概念を導入した推論処理の効率化に関する研究,などの検討を行なった.また、類似性や仮説からの推論などの発見的推論システムの定式化を行い,シークエント計算に基づく類推定理証明に関する実験システムを開発して,現在,本格的システム開発のための基礎的研究を行った状況である.これまで得られた知見を法的推論に応用可能なように修正・拡張して行くかが今後の課題である.
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