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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
振電励起イオン(電子的励起状態にあると同時に振動も励起されている分子イオン)の衝突脱活性過程(振動緩和および電子緩和)、電荷移行反応、前期解離過程について2つの手法により詳細な研究を行った。そのようなイオンは、宇宙線等によるCOのイオン化でも生成するので星間空間でも生成していると思われ、イオン-分子反応を中心とした星間分子生成のネットワークをトータルで考え、微量成分の組成分布やエネルギー収支をきちんと見積もるためには考慮に入れておかなければならないであろう。 第1の手法はフローイング・アフタ-グロー法に時間分解レーザー誘起蛍光法を併用したものである。ここではCO^+A^2II(v=0,1,2),N_2O^+ A^2Σ^+[(v_1,v_2,v_3)=(0,0,0)(1,0,0)]の各振電状態を1つづつ選択的に励起し、8種類の気体分子(He,Ne,Ar,Kr,N_2,CO,CO_2,N_2O)との衝突による蛍光の消失、緩和した状態からの新しい蛍光の発生と消失を時間分解で測定し、フィッティング法による解析を行った。それにより、各振電状態と衝突相手の組について脱活性速度定数を決めるとともに、その微視的メカニズムを明らかにすることができた。たとえば、CO^+ A^2II(v=2)の振動緩和はArの場合は電荷移動相互作用による直接(2準位)機構で進み、Heの場合は基底状態の高振動状態を経由する3準位機構で進むことなどが明らかにされた。 第2の手法は低エネルギーイオンビームチャンバー法装置による反応生成物の直接検出法である。新しく建設した本装置は、性能テストの結果、所期の性能どうりのイオンビームが得られていることがわかり、これを用いてN_2O^+ A^2Σ^+(1,0,0)とArの衝突実験を行った。衝突状態でN_2O^+をこの状態に励起すると前期解離と電荷移行とが競争すること等が確認された。
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