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¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
血液を構成する個々の細胞と血管壁との相互作用をより詳細に検討するためには,既知のずり速度・ずり応力条件下でのin vitro実験が不可欠である.本研究では,血小板と内皮細胞の挙動について以下の検討を行った. 血小板と板状または膜状の材料との相互作用を顕微鏡下に実時間で観察するために,円錐平板型回転粘度計のプレート部分を改変し,流れ負荷装置とした.実験には,ウサギ多血小板血漿(platelet rich plasma;400,000cells/mL)を用い,材料表面に粘着した血小板数を経時的に計測した.被検材料として,まず,塩化ビニル樹脂,ポリカーボネート,アクリルの3つの人工材料を用い,血小板の粘着挙動を最長30分にわたって観察した.材料の装置への装着は良好で,血小板懸濁液の漏れなどは観察されなかった.血小板の粘着挙動は,疎水性が最も強いポリカーボネートに,もっとも多くの血小板が粘着することが確認された. さらに,ブタ血管内皮細胞と血小板懸濁液を用いてin vitro血栓形成実験を行った.その結果,筆者らがラット微小循環系において確立した光と色素によるin vivo血栓形成モデルがin vitro培養細胞系においても再現可能であることが確認され,血小板粘着のダイナミクスを研究する上で,この実験系が有用であるものと思われた.
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