Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
力学的刺激が骨の形成や吸収に関与していることは,これまでの研究で明らかにされているが力学的刺激の大きさ及び種類との関係については,未だ不明な点た多い.これを明らかにすることが本研究の目的である. 動物実験には日本白色ウサギを用い,右脛骨の近位端,遠位端に70mmの間隔をあけて1本ずつピンを刺入し,2本のピンの中点に径3mmの円孔を作成した.平成4年度に作製した荷重刺激装置を用い,ピンを介して圧縮または引張荷重を1日1時間,荷重量49N,周期0.5Hzで間欠的に与えた.圧縮刺激群,引張刺激群,対照群の3群につき,それぞれ1週,2週,4週群を設定し,各群とも5羽とした.骨形成量の定量化は画像解析処理ソフトウエアにて行った.円孔周囲に作用する力学的刺激量として有効応力を3D-FEMにより求めた. 前年度までに圧縮刺激群,引張刺激群のいずれにおいても0〜4.1(MPa)の有効応力が生じた部位よりも2.7〜10.8(MPa)の有効応力が生じた部位に有意に多くの未熟骨の形成を認めており,圧縮ひずみ,引張ひずみはともに骨形成を促進し,骨形成量はひずみの大きさに依存することが確認されている.本年度は実験動物にテトラサイクリンを投与し,円孔周囲の骨研磨標本を作成した.新生骨に一致してテトラサイクリンによる標識を認めた.第2次骨単位には対照群ではテトラサイクリンによるリングを認めたが圧縮刺激群,引張刺激群ではリングは認められなかった.力学的刺激を与えない骨ではturn-overの促進を伴った骨粗鬆化が生じており,圧縮刺激,引張刺激により骨粗鬆化が防止されると考えられた.また今回Beaupreらの骨再構築理論を本実験に適用し,円孔における骨形成をコンピュータによりシミュレーションを行った.シミュレーションの結果は実験結果とほぼ一致しており,この理論の有効性が確認された.
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