Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
申請者は,横紋筋で構成される筋,つまり骨格筋および心筋の収縮運動メカニズムの解明のために,ミオシン・アクチン分子レベルで定義された分子ポテンシャル理論に基づく筋収縮運動モデルを提案してきた.本年度は,NatureおよびScienceに公表されたアクチン単分子およびミオシン頭部S1のHolmesおよびRaymentらの3次元結晶構造実験解析結果を用いて,より精緻な原子レベルでの分子構造解析および動特性解析を行った.静的および動的な材料特性・機能評価を目的として分子力学/分子動力学解析を行い,これまでに得られた実験解析結果との比較により解析法の妥当性を検討した.ここでの配座エネルギー最小分子構造およびゆらぎおよび体積圧縮率計算のための基準振動解析のために分子力学計算プログラムAMBERを使用した.本年度はアクチンおよびミオシン頭部S1分子,さらには筋収縮運動制御を行うとされているトロポニンCについて原子単位のポテンシャルエネルギ,揺らぎ,さらには体積圧縮率,柔らかさの推定を行った.それにより,活動部位,ミオシン頭部S1との結合部位の活性化予測などができ,実験観察を検証できた.さらに,マグネシウムイオン,カルシウムイオンの存在,結合によって柔らかさが大きくことなることを示し,それらの収縮運動への関与に関する推測を定量的に可能にした.主鎖の一部切断による活動機能の低下がみられることも示した.
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