Project/Area Number |
06214209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
西川 恵子 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (60080470)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 超臨界流体 / 臨界点 / X線回折 / 動径分布関数 / 相関距離 / 密度ゆらぎ / 二酸化炭素 / トリフルオロメタン |
Research Abstract |
超臨界流体の特異な溶媒活性を分子レベルの構造およびゆらぎと結びつけることを目的とし、X線回折法による研究を進めてきた。本年度の計画は以下の通りである。 1)超臨界流体CF_3Hの広角散乱による構造解析 2)実験室レベルでの小角X線散乱装置の完成 3)単結晶ダイアモンド板を窓とした試料ホルダーの制作 4)高エネルギー研放射光実験施設(PF)での小角散乱実験(CO_2、CF_3H) 5)溶質を溶かし込んだ試料の広角および小角散乱実験の着手 上記1)〜4)は当初の計画どうり装置制作ないしは実験が完了した。5)については溶質を超臨界流体中溶かし込み攪拌する装置を作ったが、まだ回折実験には至っていない。ここでは、顕著な成果が得られた4)の結果について報告する。 21点のCO_2の超臨界状態の小角散乱実験をPFで行った。Ornstein-Zernike plotより得られる相関距離ξとs=0における強度I(0)の値を相図上に描いてみると、気液曲線の延長線に沿った方向にこれらの値の高い尾根が存在した。気液曲線の延長線は、臨界等密度線に対応している。ξはクラスターの平均的大きさの目安であり、I(0)は密度ゆらぎに比例する量であり、分子分布の不均一さを表す量である。CF_3Hについても同様の傾向が見られた。多少強引ではあるが、超臨界状態の気液曲線の延長上または、臨界等密度線に沿ってクラスターが大きく成長し、かつ分子の分布の不均一度が高くなるとしてよさそうである。また、これら密度ゆらぎや相関距離の大きさが超臨界流体としての溶解度や反応活性とも直接関係していることが明らかになった。溶解度および反応活性は、超臨界流体の特性で最も注目される量であるが、これらが、クラスタリングを通して構造と一般的に結びついたことになる。
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