高分子膜に対する超臨界CO_2流体の拡散機構及び溶解性に関する研究
Project/Area Number |
06214211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻田 義治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70016591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉水 広明 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10240350)
木下 隆利 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135407)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 超臨界CO_2流体 / 高分子膜 / 気体収着 / 溶解度係数 / 拡散性 / 透過係数 / 可塑化 / 凝集性 |
Research Abstract |
超臨界流体は比容積を大幅に連続的に変化させることができ、分子間相互作用を高度に制御し得る有効な系であると考えられる。本研究では、超臨界流体(CO_2)-高分子系の相互作用の特徴を検討するために水晶発振子を利用した気体収着測定装置(QCM収着測定装置)並びに高圧まで測定可能な透過測定装置を用いて測定を行った。QCM収着測定装置は従来の精密電子天秤を用いた気体収着測定装置に比べ、耐圧容器の容積を小さくできるこ及び極く少量(約30μg程度)の試料で測定可能なこと、浮力補正が必要ないことなどの利点がある。CO_2透過測定は本研究で製作した測定装置を用いて定容法で行った。CO_2の圧力は圧力調整器及び日本分光社製PU-980型HPLC用ポンプを使用して制御した。50℃における約100気圧までのポリフェニレンオキサイド(PPO)及びポリカーボネート(PC)のCO_2収着等温曲線をQCM法で得たところ、臨界圧力付近以上で収着特性に変化が見られた。即ち、約70気圧以上では収着量の増加が緩やかになっており、超臨界流体CO_2の高分子への溶解性は圧力とともに低下するといえる。また、PPOのCO_2透過係数の圧力依存性は50気圧までは徐々に減少し、60気圧付近で透過係数は急激に減少した後緩やかな増加をするという挙動を示した。これは高分子膜中のCO_2の凝集状態や昨年度指摘した高分子の構造変化(CO_2の可塑化効果によるガラス転移)に帰因していると考えられる。次に種々の温度における架橋シリコンゴムのCO_2透過係数を測定した。CO_2透過係数は臨界圧力または液化圧力付近を境に増加から減少に変化した。透過係数の増加は主にCO_2の可塑化効果に因ると考えられる。一方、透過係数減少の原因は、一つには先に指摘した溶解性の低下が挙げられる。また、液化状態と超臨界状態では透過係数の減少の度合が異なることから、CO_2の凝集状態の違いが溶解・拡散性に反映されているものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)