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¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,超臨界域においてアンモニアの熱力学性質を,超高圧液相域においてエタノールの熱力学性質を,それぞれ測定した.さらに,超臨界混合流体のPVTX性質,高圧気液平衡および臨界曲線などの諸物性値を精密測定することが可能な装置を開発し,二酸化炭素の臨界定数を測定した. 1.超臨界域における測定 本研究で使用した実験装置は,伸縮自在の金属ベローズを試料容器として用いた変容法によるものであり,純度99.9995mol%のアンモニアの超臨界域におけるPVTX性質を,温度410〜425K,圧力17MPaまでの範囲の4本の等温線について,密度200〜300kg/m^3の範囲で10kg/m^3おきに11の密度と臨界密度(235kg/m^3)で圧力の測定を行い,計48点の測定結果を得た.測定精度は,温度±6mK,密度±0.10%,圧力±4kPaである.これらの測定結果から等温圧縮率および圧力係数を求め,超臨界域における物性値の挙動を明らかにした. 2.超高圧液相域における測定 エタノールの高圧液相域におけるPVT性質を,310〜480Kの温度範囲で17本の等温線について飽和液体の状態から200MPaまでの範囲で密度の測定を行い,計395点の測定結果を得た.測定精度は,温度±3mK,密度±0.10%,圧力±0.1%である.これらの測定結果から等温圧縮率および体膨張係数を求め,超高圧液相域におけるそれらの挙動を明らかにした. 3.臨界曲線測定装置の開発 基本測定法として金属ベローズ変容法を採用し,臨界現象観察用として試料容器に合成サファイア製の覗き窓を付けた混合流体のPVTX性質,高圧気液平衡および臨界曲線測定装置を開発した.測定可能な温度・圧力範囲は250〜500K,100MPaまでである.本年度は,この装置により二酸化炭素の臨界定数を測定し,その値をT_c=(304.18±0.01)K,P_c=(7.385±0.001)MPa,ρ_c=(468±1)kg/m^3と決定した.
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