Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Research Abstract |
数10nm〜数μmの微粒子の分離分析法の一つに,ハイドロダイナミック・クロマトグラフィー(HDC)法がある。この手法を超臨界流体中の微粒子の分離分析手法として確立させることを目的とし,超臨界流体溶離液に18〜20MPa,40〜60℃の二酸化炭素を用い,分離部細管にフューズドシリカ管(公称径50μm,長さ10mおよび20m)およびPEEK管(公称径130μm,長さ20m)を用いて検討したところ,次のような結論を得た。 1.溶離液を超臨界二酸化炭素のみにすると,表面処理をした疏水性シリカ粒子でも,検出器の石英セルに付着し,粒子が通過しても吸光度の低下しない現象が見られた。この現象を改善するにはメタノール等の極性溶媒を添加して,溶離液の極性を高める必要があることが判明した。 2.超臨界流体を溶離液として用いるHDC法は,水溶液などの一般の流体を溶離液とした場合より広い条件(細管径,装置長さ,溶離液流速など)で操作できることが判った。しかし装置内滞留時間と粒子の拡散係数の比で表現される無次元数で比較すると,両者の溶離液の相違による粒子流出時間への影響は,ほとんど無いことが判明した。 3.粒子排除効果に基づく粒子流出時間の計算予測値と実験値の一致は良くなかった。このような計算値と実験値の乖離の原因として,従来は粒子と細管壁とのコロイド相互作用力であると予測されていた。しかし本研究のような余りにも物性の異なった実験系でも同様の結果が得られたことから,従来の考え方は適切でないと推定される。 4.二次流れによる見かけの拡散係数増加を利用して,HDC法による微粒子の分離分析を期待することは,余り効果がないと考えられる。
|