Project/Area Number |
06215205
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 晃彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (90195355)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 環境脆化 / 臨界水蒸気圧 / 臨界水素圧 / 水分解 / 環境脆化抑制機構 / 高温衝撃試験機 / 小型パンチ試験 / 微小試験片技術 |
Research Abstract |
1.Co_3Ti,Ni_3(Si,Ti):変形速度の小さな試験において、室温で顕著な脆化を示した材料が、高速衝撃試験では完全に延性的に振る舞うことを示した。すなわち、高速衝撃試験法を用いることによって、環境脆化を抑制した材料特有の破壊靭性評価が可能であることを明確にした。また、変形速度の小さい場合の脆化度が、真空度に極めて鋭敏に依存することを示し、且つ、脆化を引き起こすための臨界の大気圧に存在することを初めてと示すことによって、金属間化合物のいわゆる環境脆化が、大気中に存在する水分(の分解によって生ずる水素)によることを明らかにした。脆化を引き起こすための臨界の水蒸気分圧は、10^<-5>Paであり、従来の高強度鋼の10Paに比べ、著しく低いことを明らかにし、その高い脆化割れ感受性を金属間化合物表面における水の分解促進によると結論した。また、衝撃破断吸収エネルギーを高クロム合金鋼と比較し、いずれの金属間化合物も全試験温度範囲(77K〜1073K)において9Cr鋼より高い値を持つことを示した。これらの結果は、従来脆いとされていたこれらの金属間化合物が本質的には延性に富んでおり、脆化が環境に起因することを明確に示しており、極めて重要である。 2.TiAl:得られた衝撃破断吸収エネルギーが小さいことから、脆化の支配因子は、環境ではなく、材料自体にあると結論した。しかし、材料中に含まれる酸素や水素の寄与(わずかではあるが、臨界量以上が既にcrack nucleation siteに存在するため、変形中の移動集合が不要)も考えられるため、これも本質的な脆さであるとは断言できない。現在、微量の水素を制御して添加し、破壊靭性試験を行っている。
|