Ti系金属間化合物における各種変態の検討と変態生成物と材料特性との関係
Project/Area Number |
06215225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 謙一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60029832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 芳幸 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40164214)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | Ti合金 / 金属間化合物 / マルテンサイト変態 / 原子位置 / ALCHEMI測定 / 形状記憶 |
Research Abstract |
Ti系金属間化合物としてTi-Al合金を取り上げる予定だったが、装置などの都合で研究を完成出来なかったので、Ti-Ni合金について得られた成果を以下に報告する。 Ti-Ni合金は形状記憶合金としてよく知られているもので、第3元素Xを添加した時のXの原子位置をALCHEMI法で調べてきた。その結果、CoあるいはFeを添加した場合には、たとえTi_<48>Ni_<50>X_2の合金組成でも、添加元素Xは常にNiサイトを優先的に占有することが分かった。この場合、構造的な原子空孔の存在を考慮にいれると、NiおよびXの両方がNiサイトを占有し、Tiサイトの一部には原子空孔が出来たか(モデルa),Niサイトに収まりきれなかったNi原子の一部がTiサイト占めた(モデルb)かのどちらかである。そのどちらかを決めるため、アルキメデス法による密度測定と粉末X線回折法による格子定数測定から、Ti_<48>Ni_<50>Co_2およびTi_<48>Ni_<50>Fe_2合金について構造的原子空孔の有無を調べた。 その結果、Ti_<48>Ni_<50>Co_2合金の格子定数と密度はそれぞれ0.300nmと6.52g/cm^3,またTi_<48>Ni_<50>Fe_2のそれらは0.301nmと6.54g/cm^3であり、たとえ構造的原子空孔が存在したとしても、モデルaから予想される量の1/6以下であることが分かった。 しかしながら、Ti-Ni合金と同じB2構造を持つNi-Al合金などでは、Al過剰の組成において構造的原子空孔が存在することがよく知られている。そこで本研究では、更にBragg-Williams近似に基ずき、Tiサイトに構造的原子空孔が生成する条件を考察した。その結果として、第一に原子空孔の生成エネルギーがTi原子とNi原子の対相互作用エネルギーと同程度あるいはそれ以下であること、第二にTi原子間の結合エネルギーがNi原子間のそれに比してかなり小さいことが必要であることが分かった。Ti-Ni-X合金ではいずれの条件も満たされず、モデルaでないことが理論的にも理解できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)