Project/Area Number |
06216201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊土 政幸 北海道大学, 理学部, 教授 (90111145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 研 北海道大学, 理学部, 助教授 (70204211)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 電子比熱 / d波超伝導 |
Research Abstract |
等の高温超伝導体ではCuサイトのごく一部を非磁性元素であるZn等で置換すると超伝導が消失する。この顕著な置換効果は超伝導秩序パラメタの対称性との関連で大変興味深い現象といえる。また、我々はLa_<2-x>Sr_xCuO_4系の常伝導相の低温ではスピン-重項状態が形成され、これに伴って電気抵抗も減少することを指摘してきた。においてスピン系がホールの運動へ与える影響を明らかにすることは超伝導の発現機構を考える上で重要な問題と考えられる。本研究では、La_<2-x>Sr_xCuO_4系における超伝導と常伝導状態に対する銅サイト置換効果を電子非熱係数や磁化率、電気抵抗等の測定から系統的に調べ、以下の結果を得た。 1.銅サイトのごく一部をZnで置換するだけでTcが低下し、電子非熱係数γも零から有限な置を示すようになる。このような非磁性不純物による強い対破壊は(d波超伝導のように)超伝導ギャップにノードが存在することを示唆する。実際、Zn置換によるγの復活とTcの抑制との関係はユニタリティ極限で計算されたd波超伝導体に対する不純物効果の結果によってよく説明されることが分かった。さらに、T<<Tcでの電子比熱が、線上のギャップノードをもつ超伝導体に特徴的な温度の2乗依存性を示すことが明らかになった。 2.超伝導を示す試料においてCuの一部をNiで置換すると常伝導相におけるスピン一重項の形成が促進され、これに伴う電気抵抗の減少も顕著となる。この結果からLa_<2-x>Sr_xCuO_4系ではホールの運動とdスピン系との間に強い相関が存在することが確認できた。一方、dスピンの局在性が強いと考えられる底ホール濃度領域では、Ni置換によって広いホール濃度領域でネ-ル状態が安定となることが分かった。
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