高温超伝導体の構造と物性に関する研究〜TcとCuO_2面の微細構造変化〜
Project/Area Number |
06216212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
神戸 士郎 山形大学, 工学部, 助教授 (20211188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 克郎 山形大学, 工学部, 教授 (70007011)
大嶋 重利 山形大学, 工学部, 教授 (40124557)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 高温超伝導体 / Bi2212相 / Bi2201相 / キャリア濃度 / Cu価数 / Tc |
Research Abstract |
Bi2212相のサンプルでは還元前後でn vs.Cu価数依存性は変化がない。これは、Ca→Y置換によるキャリア制御も還元処理によるキャリア制御もn vs.Cu価数依存性を変化させないことを意味し、Cu価数が有効キャリア濃度nのパラメーターとして利用できることを意味する。これに対しBi2201相では、還元前後でn vs.Cu価数依存性が異なる。Bi2201相の還元前後のサンプルを比べるときには、Cu価数が有効キャリア濃度nのパラメーターとしては利用できない。 還元処理によってTc vs.nの依存性は変化する。2212,2201相いずれの相においても、還元前のTcの最大値は有効キャリア濃度が2.8×10^<21>cm^<-3>付近にあるのに対し、還元後は0.5-1×10^<21>cm^<-3>の低濃度側へ移動し、Cu価数の低い領域で高いTcがあらわれる。しかしながら、Bi2212相とBi2201相では依存性の変化が異なる。 以上の結果に、福山らがt-Jモデルに平均場近似を用いて得たCuO_2面の電子系に対する相図を適用すると、Bi2212相の還元はホロンのボ-ズ凝縮温度を上昇させ、Bi2201相の還元は反強磁性領域を減少させる働きをもつと考えられる。還元処理の物理的な効果がBi2212相と2201相で異なる理由は両相の構造的相違にあると考えられ、XRDやラマン分光でとらえられていない微細な構造の歪みがその原因の一つとして考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)