酸化物高温超伝導体固有の超格子構造から発現する電子現象の解明と機能化に関する研究
Project/Area Number |
06216215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
大矢 銀一郎 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00006280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 晃亘 宇都宮大学, 工学部, 助手 (90241843)
石井 清 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (30134258)
中井 俊一 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70081429)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / Bi_2Sr_2CaCu_2O_y / 単結晶 / 超格子構造 / ジョセフソントンネル接合 / 交流ジョセフソン効果 / 磁束量子 / 位相同期 |
Research Abstract |
本研究は、銅酸化物系高温超伝導体の超伝導発現を担う金属的CuO_2層とこれを分離する非金属的ブロック層の交互の積層による自然超格子構造とこれに基づく異方的電気磁気的特性に着目し、これに起因する高温超伝導体固有の新しい電子現象の探索・究明と、その機能化(デバイスへの応用)を図ることが目的である。 本年度は、Bi_2Sr_2CaCu_2O_y単結晶(Tc〜80K)固有のジョセフソン接合的振舞を明確にすると共に、そのデバイス化への道を拓くべく、大型結晶のC軸方向のマイクロ波(8-10GHz)応答特性を測定し、詳細な検討を行った。その結果、以下のような、単結晶を構成する直列ジョセフソン接合による3種類の動作モードの観測に成功し、同単結晶のデバイス応用への足掛りを得た。 1.交流ジョセフソンモード:照射マイクロ波電力が比較的小さいとき、電流-電圧特性上に交流ジョセフソン効果による定電圧(シャピロ)ステップが誘起され、このとき結晶中の約100個のジョセフソン接合が位相同期して動作することが確認された。 2.フラクソン共鳴モード:マイクロ波電力が比較的大きく、その周波数が結晶ジョセフソン接合の共振周波数にほぼ等しいとき、磁束量子がジョセフソン接合内に導入され電磁波と位相同期して共鳴運動することが、電流-電圧特性上に誘起された急峻な電圧ステップの観測から確認された。 3.フラクソン非共鳴モード:マイクロ波電力が比較的大きい場合であっても、その周波数が結晶ジョセフソン接合の共振周波数と大きく異なる場合は、ジョセフソン接合内に導入された磁束量子は電磁波と位相同期せずフロー運動することが、電流-電圧特性上に誘起されたブロードな電圧ステップの観測から確認された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)