2-4-1系酸化物超伝導体のハイパーラマン散乱による研究
Project/Area Number |
06216232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宇田川 眞行 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70144889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 克彦 広島大学, 総合科学部, 教授 (90034743)
荻田 典男 広島大学, 総合科学部, 助手 (90211812)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | ハイパーラマン散乱 / ラマン散乱 / ポーラロン・バイポーラロン / Sr_2RuO_4 / Nd_2CuO_<4-x>F_x / La_<1.85>Sr_<0.15>CuO_4 / 局所歪 / 応力印可 |
Research Abstract |
本研究は、酸化物超伝導体の超伝導出現機構のうちのポーラロンまたはバイポーラロンモデルが、2-1-4系のK_2NiF_4型T構造超伝導体及びNd_2CuO_4で代表されるT′構造超伝導体において主要な機構であるかを決定するために、このモデルが正しいとすれば普遍的現象となるCuO_2伝導面上の酸素の局所歪や対称性低下を実験的に明らかにすることを目的とした。以下に、ラマン散乱及びハイパーラマン散乱によって得られた主要な結果を示す。 (i)F置換したNd_2CuO_<4-X>F_Xのラマン散乱:Ce置換超伝導体で現れる対称性禁止の約600cm^<-1>のモード(CuO_2伝導面の酸素がc-軸方向に歪む事に対応)は、F置換系では出現しない。従って、T′構造超伝導体では、CuO_2伝導面上の酸素の歪みは超伝導出現に対して主要な要因とは考えられない。 (ii)非銅酸化物超伝導体Sr_2RuO_4ラマン散乱:室温から5Kまでの温度領域で、対称性禁止フォノンは出現しなかったので、RuO_2伝導面上には酸素の局所歪はないと言える。 (iii)La_<1.85>Sr_<0.15>CuO_4ラマン散乱:本研究では応力によって双晶を取り除いた結晶について測定し、赤外活性の対称性禁止モードは観測されなかった。また、観測したAgモードの数は斜方晶の群論解析結果と一致した事から、対称心は消失していないことが実験的に明らかにされた。 (iv)SrTiO_3のハイパーラマン散乱:低温でキャリヤ-によるスペクトルの-増大が観測されていた。 (v)まとめ:T′結晶では、CuO_2伝導面の歪と超伝導性の関連はないといえる。しかし、ホール超伝導体のLSCOでは、正方晶でも斜方晶のフォノンが観測されていること、及びSr_2RuO_4との比較から、LSCOのCuO_2の伝導面上の酸素歪と超伝導性の相関を否定することはできない。そのために、現在Tc近傍で詳細な測定を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)