トルクおよび交流磁気緩和法による層状高温超伝導体中の磁束の電磁力学的研究
Project/Area Number |
06216234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥田 喜一 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50028205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川又 修一 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50211868)
石田 武和 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00159732)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 高温超伝導 / 磁束ピニング / 磁束系相転移 / 磁気異方性 / トルク / 弾性ねじり振動 / 非線形帯磁率 |
Research Abstract |
一連の銅酸化物高温超伝導は、その発現の舞台がCuO_2二次元シートにあり、それらが面に垂直に弱く結合したものであるという描像が良く成り立つ。この二次元層状効果は、磁束の異方的ピニング、広範囲にいたる超伝導揺動としてあらわれ、高温超伝導体の特異性を引き出している。本研究では、前年度に引き続き、これら二点に注目し最も異方性の強いと考えられている酸化物超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_8(今後Bi2212)、同様に二次元層状性をもつ有機超伝導体k-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2、更に、YBCO単結晶をとりあげ磁気トルク、弾性ねじり振動の減衰特性測定、非線形帯磁率測定等により磁束系の静的動的研究を行った。 具体的には以下のような成果を得た。[1]TSFZ法で作成したBi2212単結晶を用い磁場中微少回転減衰振動の実験を行い、磁束系の減衰係数ηの磁場(H)温度(T)依存性η(H,T)を求めた。H-T面においてηが発生しピークを持つのは磁場がab面に垂直な場合、10〜30K、H〉1KOeであり、一方、磁場が面に平行な場合、30〜60K、H〉1KOeである。この場合、ηの値は先の場合の約2桁も大きい。これらの結果からη(H,T)が磁束デイピニングによるエネルギー散逸として説明されることが解った。[2]衝撃圧縮法で作成したBi2212試料のトルク測定を行い、結晶粒の方位配向と異方的ピニングの増加を定量的に評価した。[3]二次元層状性をもつ有機超伝導体k-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2のトルク測定を行った。結果はBi2212と極めて良く類似し、2次元層状性の特性が確認された。[4]YBCO単結晶のTc近傍の非線形帯磁率の測定結果はこの方法が試料の均一性の評価に極めて有効であることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)