Project/Area Number |
06218101
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
太田 道也 群馬工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (40168951)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 杉郎 東海大学, 開発工学部, 教授 (80008408)
高橋 正 東邦大学, 理学部, 講師 (30171523)
小島 昭 群馬工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (40042593)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 高フッ素化トリアリールメタン型樹脂 / Itoh-Mataga理論 / ジフルオロアニソール / ポリラジカル / キノイド構造 / 脱水素 / フェロセンカルボキシアルデヒド / 磁気特性 |
Research Abstract |
1.目的:本研究は、メタ位で連結したトリアリールメタン型ポリラジカルからItoh-Matagaモデルにしたがう高分子磁性体を構築することを最終目標としている。今年度は、(1)高フッ素化トリアリールメタン型樹脂から発生するラジカルの安定化、(2)フェロセンを含むトリアリールメタン型樹脂の構造解析と磁気測定について研究することにした。 2.研究成果: 2-1.高フッ素化トリアリールメタン型樹脂:これまで、3,5-ジフルオロフェノール/ペンタフルオロベンズアルデヒド系高フッ素トリアリールメタン型樹脂の脱水素処理によるポリラジカルの発生を検討した。今回、のポリラジカルについて磁気測定を行なったところ、低温下での測定においてもItoh-Mataga理論に従わずに常磁性的な挙動が観測された。この原因について、ポリラジカルの構造を詳細に調べたところ、脱水素処理前後においてジフルオロフェノール核の一部にキノイド構造の生成が認められ、これがラジカルサイトのスピンの整列を妨げていることが本実験で示唆された。そこで、キノイドが生成できないジフルオロアニソールを原料として樹脂を合成しポリラジカルの生成を行なうことにした。その結果、脱水素処理によってもキノイドの生成を伴うことなく安定なラジカルを発生させることができることが分かった。現在、この樹脂について、磁気測定やESRスぺクトルなどの測定を行ない磁気特性を解析しているところである。 2-2.フェロセン系トリアリールメタン型樹脂:フェロセンカルボキシアルデヒドを連結剤として合成した樹脂の磁気特性にはフェリシニウムイオン核やラジカルの生成が関係していることがわかったが、ラジカルの発生気構が明確でなかった。そこで、本研究ではピレンやフェロセン核なの嵩高さが樹脂の連結部からのメチン水素の脱水素を熱的に容易にしているのではないかと仮定し、分子サイズの小さいジヒドロキシベンゼンを原料として樹脂を合成し磁気的性質を測定した。その結果ジヒドロキシベンゼン系はラジカル濃度が低く、磁気測定でも常磁性成分が少ないことが明らかになった。この実験により嵩高い芳香族を用いることによってラジカル濃度を高めることができるのではないかと思われる。本研究では、A01班の木下ら(東大物性研)や、本重点領域総括責任者の伊藤らおよびA01班の工位ら(阪市大理)との共同研究を通して行なわれた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)